市場のリスク認識の変化と、資産クラス間の資金移動が通常のパターンと異なる理由について、チーフ・クロスアセット・ストラテジストのセリーナ・タンが解説します。
トランスクリプト
「市場の風を読む」(Thoughts on the Market)へようこそ。このポッドキャストでは、最近の金融市場動向に関するモルガン・スタンレーの考察をお届けします。
チーフ・クロスアセット・ストラテジストのセリーナ・タン マクロ経済の強い不透明感の中で投資家がどのように防衛策を講じているのか、チーフ・クロスアセット・ストラテジストのセリーナ・タンが解説します。
このエピソードは4月22日 にニューヨークにて収録されたものです。
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ここ3週間は世界的に市場が激しく変動し、投資家はリスクとの関わり方の再考を迫られています。このような時期には一般的に、ミューチュアルファンドとETFの資金が株式から債券に移動し、これが投資家のディフェンシブ姿勢を測る明確な基準となります。しかし、今回はこのパターンが見られません。
資金は債券ではなく金(きん)に流れており、これが質への逃避を最も明確に示す確証となっています。4月3日から11日までの期間には世界全体で50億ドル近い資金が金(きん)ETFに流入し、7日間の純流入額としては史上最大規模となりました。年初来では220億ドルが金ETFに正味流入しており、運用資産総額は大凡 約2,500億ドルに達しています。過去20年間で金(きん)ETFへの流入額が多かった上位10日のうち、3日が過去1カ月に起きています。
キャッシュもディフェンシブ資産への逃避がプラスに寄与しており、年初来で1,000億ドル以上がマネーマーケットファンドに流入しています。このため、年内は様々な理由からキャッシュへの資産再配分がテーマになると思われます。その理由のひとつとして、弊社エコノミストの予想では関税の影響でコアPCEインフレ率が上昇する見通しで、FRBは25年には利下げを実施せず、26年に先送りすると見込まれているためです。これはマネーマーケットファンドの高い利回りが長く続くことを意味します。そして、安全資産である米国債の低下を目の当たりにした投資家にとって、マネーマーケットファンドのボラティリティの低さはリスク・リワードの観点から国債の保有に勝る強力な論拠となります。また、別の理由として、仮に弊社エコノミストの基本ケース予想が外れ、FRBの大幅な利下げが遅れるのではなく、早まるとします。その場合は米国がおそらく景気後退の瀬戸際にいることを意味し、その状況ではキャッシュが最有力となります。
このような質への逃避が見られる中で、特に想定外だったのは、高位格付けの米国債券からの資金流出です。この資金流出が特筆に値する理由は、米国債、エージェンシーMBS、投資適格クレジットが通常は低ベータのディフェンシブ資産と認識されているためです。しかし、4月7日の週には米国の高格付け債券から14億ドル近い資金が流出しました。これはコロナ禍以降で最大の流出額であり、この傾向は今後も続く可能性があります。
そのため、我々はこれでアメリカ例外主義が終わるのか、自問する必要があります。米国資産から米国外資産への主役交代が起きているのでしょうか。
答えは意外かもしれませんが、米国債券から資金が流出しても、米国リスク資産から米国外市場への持続的なローテーションは実際には起きていません。少なくとも、それを示すデータはまだ多くありません。米国内の株式投資家は引き続き自国資産を強く選好しており、日本と欧州の投資家は外国株式を正味で買い続けており、少なくともその一部は米国株です。
現在の不透明感が続く間は、投資家のディフェンシブ姿勢が続くと思われます。ただ、何が実際にディフェンシブであるのかの評価は難題です。このところの世界的な市場の混乱は、どこにリスクがあるのかという投資家の認識の変化自体がリスクであることを示唆しています。
最後までお聴きいただきありがとうございました。今回も「市場の風を読む」Thoughts on the Market 、お楽しみいただけたでしょうか?もしよろしければ、この番組について、ご友人や同僚の皆さんにもシェアいただけますと幸いです。
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