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July 29, 2025 6 mins

AIの採用、ドル安および「ビッグ・ビューティフル・ビル」は、弊社最高投資責任者兼米国チーフ株式ストラテジストのマイク・ウィルソンの米国株に対する確信を強める要因の一部となっています。

このエピソードを英語で聴く。


トランスクリプト 


「市場の風を読む」(Thoughts on the Market)へようこそ。このポッドキャストでは、最近の金融市場動向に関するモルガン・スタンレーの考察をお届けします。

今回は最高投資責任者兼米国チーフ株式ストラテジストのマイク・ウィルソンが、株式市場を楽観視する理由を御説明いたします。

このエピソードは7月29日 にニューヨークにて収録されたものです。

英語でお聞きになりたい方は、概要欄に記載しているURLをクリックしてください。

過去数週間で筆者は、来年央までのS&P 500の目標値を7200ポイントと見る強気ケースのシナリオに一段と傾いています。この見解は総じて予想されていたよりも底堅い企業収益とキャッシュフローの想定に基づいています。そのドライバーは無数にあり、ポジティブな営業レバレッジ、AIの採用、ドル安、「ビッグ・ビューティフル・ビル」による現金ベースの税負担軽減、および多くの業種における有利な前年比の利益成長率や、潜在需要が含まれています。

多くの向きはまだ成長の逆風として関税に注目していますが、弊社アナリストは、対象となる国の範囲や米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の除外が続いている点を考慮し、S&P 500業種グループが関税コストから受ける影響は、かなり抑えられていると見ています。その一方で、日本や欧州など最大の貿易相手国との間では、米国に有利と見られる条件で協定が結ばれています。

価格決定力を欠くことから、株式市場における関税リスクが最も大きい分野は消費財であり、これを理由に弊社は消費財のアンダーウェイトを継続しています。しかし、投資家にとって関税に関する最大のポイントは、政策の不確実性の変化率は4月の初めにピークをつけたということです。これは、弊社が注目している最も重要なファンダメンタルズである企業の業績ガイダンスが4月に底を打った最大の原因で、業績予想修正トレンドが大幅な上昇に転じたことがこれを裏付けています。

もちろん、短期的な状況にリスクがないわけではありません。これらには、依然高水準にある長期金利、関税関連のインフレおよび利益率低下の可能性などがあります。その結果、例年低調な第3四半期中に調整が入る可能性がありますが、下落は小幅で、買いが入る見込みです。これまでに挙げた成長の追い風の他に、多くの企業にとって前年と比較した成長率が有利になる点も指摘しておく価値があるでしょう。

かなり以前から筆者は、3年前から米国でローリング・リセッションが進行していると見る、コンセンサスとは全く異なる見解をとっています。これは、その期間のかなりの部分で、PMI景気指数、消費者信頼感および民間労働市場といった、経済のソフトデータの多くがリセッションの領域で推移して来た事実とも適合します。これは、政府の支出が堅調なGDP成長の維持を助けて来た一方、政府の大規模な支出はFRBによる過度な引き締めの継続につながり、民間部門の大半と多くの消費者の活動が抑制されていると見る、以前からの筆者の見解とも符合します。

その間に、過去数年間で民間部門の賃金の伸びは着実に減速してきました。そしてテクノロジー、金融および企業サービスの雇用者数の伸びは最近までマイナスになっていました。反対に、同じ期間に政府および教育/医療サービスの雇用者は、はるかに堅調な伸びになっています。民間部門のこの種の賃金の伸びと、低調な雇用者数の伸びは、サイクル初期の環境の典型です。これが、サイクル初期の環境で営業レバレッジが好転し、利益率が拡大する主な原因です。この過小評価されている動向が弊社の企業収益モデルに反映されつつあり、AIの採用がこの現象を加速させる見込みです。要約すると、賃金の伸び減速が長く続いた後、より無駄のないコスト構造が、プラスの営業レバレッジを牽引するという、サイクル初期の環境に一段と近付いている模様です。

結論としては、今年4月の「解放の日」前後に見られた投げ売りのような株価と業績予想の下方修正は、2022年に始まったローリング・リセッションの終わりを告げるものでした。悪材料を受けて市場は底を打ち、企業収益のローリング・リセッションから、業種ごとに順次回復する環境に移行しつつあります。

EPSのローリング・リセッションのために有利になる前年比の利益成長、そして来年第1四半期までにFRBが利下げを再開する確率が高い、という利益とキャッシュフローのポジティブなドライバーの組み合わせがこの移行を可能にするでしょう。業績予想修正トレンドの好転から、このプロセスが既に始まっていることが確認でき、向こう12ヵ月間、平均的な株式のリターンは堅調になる公算が大きいと見られます。

簡単に言えば、例年、低調な傾向がある四半期に押し目があれば、拾えということになります。

最後までお聴きいただきありがとうございました。今回も「市場の風を読む」Thoughts on the Market 、お楽しみいただけたでしょうか?もしよろしければ、この番組について、ご友人や同僚の皆さんにもシェアいただけますと幸いです。 

 

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