週末に貿易の緊張が緩和したことを受け、株式市場は大幅に上昇しました。弊社の最高投資責任者兼米国チーフ株式ストラテジストのマイク・ウィルソンは、市場の最悪期は去り、株価は底打ちしたと前向きにみています。今回は、その理由を解説します。
トランスクリプト
「市場の風を読む」(Thoughts on the Market)へようこそ。このポッドキャストでは、最近の金融市場動向に関するモルガン・スタンレーの考察をお届けします。
最高投資責任者兼米国チーフ株式ストラテジストのマイク・ウィルソン, 今回は最高投資責任者兼米国チーフ株式ストラテジストのマイク・ウィルソンが、株式市場の視点から最近の関税交渉についてどう考えるべきかについて解説をします。
このエピソードは5月12日 にニューヨークにて収録されたものです。
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週末に米中貿易交渉は予想以上に進展し、わずか1ヵ月前に始まった貿易問題に関する緊張緩和で合意しました。投資家から寄せられている主な質問は、この最初の合意を信用すべきかどうか、そしてこれが最終的に持続可能なものかどうかです。私の目から見ると、この質問は株式投資家にとってより重要なポイントを見逃がしています。言うまでもなく、株式市場は未来を材料に取引するものなのです。
従って、確認すべきは、6ヵ月後に状況が多少なりとも不透明になっていると思うか、そして状況は改善するか、それとも悪化するか、ということです。もう1つ考慮しなければならない点は、株式は成長率の二次導関数、つまり変化率に基づいて取引されるということです。この点に関しては、株価と最も相関する傾向にある変数の変化率が底打ちした可能性が高いと考えています。
もっと具体的に言えば、企業は先週、今年になって初めて利益の大幅な上方修正を行いました。一部では、関税の発表を控え、第1四半期に需要が前倒しされたために利益が予想を上回ったという企業もありました。また、一部の主要企業はドル安のおかげで予想以上の利益を上げました。重要なことですが、米国の多国籍企業にとって為替相場の恩恵は今後6ヵ月、利益への大きな追い風となりそうです。
5ヵ月ほど前に懸念していた成長のネガティブ要因の多くが今やなくなりました。ネガティブなセンチメントやポジショニングは「解放の日」がピークでした。株式市場は悪いニュースで底打ちするという格言があります。先月の「解放の日」が最も良い例でしょう。同様に、市場は良いニュースで天井を打つことが多いですが、週末の中国との貿易交渉が予想以上に良い結果だったことが、相場一服につながった可能性が十分あります。従って、このような相場が見られた際には上値追いではなく押し目買いをすべきでしょう。市場は成長にポジティブな政策変更の可能性はまだ消えていないと考え、減税の延長、規制緩和、債務上限問題および来年度歳出予算の決着などに期待するでしょう。
最後に、関税率のさらなる引き上げの懸念が和らいだいま、FRBが恐らく先日明らかにした見通しよりも早い時期に利下げする可能性も再び浮上してきました。関税が今後1年間インフレにどの程度影響を及ぼすかは正確には分かりませんが、影響は前倒しとなりそうです。実際、関税が需要に打撃を与え、最終的にディスインフレをもたらすことも考えられます。FRBは秋口にかけてこの結果を判断するとみられ、少なくとも利下げを示唆し始める可能性があります。そうした動きはクオリティの低い循環株へのより持続可能なローテーションにつながり、多くの投資家が6ヵ月前に予想しつつもフライングしてしまったような形でアニマルスピリッツが広がるでしょう。
結論としては、厳しい上期と好調な下期というわれわれが当初示した今年の見通しに確信が強まりました。この見通しは、AI関連設備投資の伸びが今年は減速を免れず、政策変更も当初は成長率にネガティブとなる可能性が高いとの見解に基づくものでした。この先は、成長にポジティブな政策変更や、すでに始まっているAIへの支出による生産性向上を期待できるでしょう。そのような大幅な相場上昇の後に反落は避けられませんが、先月目の当たりにしたような下げにはなりそうもありません。よって、押し目買いを推奨します。
最後までお聴きいただきありがとうございました。今回も「市場の風を読む」Thoughts on the Market 、お楽しみいただけたでしょうか?もしよろしければ、この番組について、ご友人や同僚の皆さんにもシェアいただけますと幸いです。
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