米国の政策変更が落ち着き、世界貿易の緊張が緩和しており、弊社最高投資責任者兼米国チーフ株式ストラテジストのマイク・ウィルソンは25年下期見通しをより強気に変更しました。
トランスクリプト
「市場の風を読む」(Thoughts on the Market)へようこそ。このポッドキャストでは、最近の金融市場動向に関するモルガン・スタンレーの考察をお届けします。
最高投資責任者兼米国チーフ株式ストラテジストのマイク・ウィルソン今回は関税と金利の最近の動向と、それが弊社の今後12カ月の米国株式見通しに及ぼす影響について、最高投資責任者兼米国チーフ株式ストラテジストのマイク・ウィルソンが解説します。
このエピソードは5月23日 にニューヨークにて収録されたものです。
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中国に対する追加関税が145%から30%に引き下げられた結果、株式市場は先週も上昇が続き、企業マインドや消費者心理にもプラスに働くと思われます。さらに重要なこととして、弊社は重大な局面で90日間の関税停止が発表されたと見ています。実質的な禁輸措置があと数週間続いていたら、景気後退に陥る確率が高まったでしょう。
貿易政策の不透明感が薄れ、株式市場の変動もかなり落ち着きました。実のところ、この2つを測る指標は中国との交渉が成立するかなり前にピークに達し、現在は「解放の日」以前の水準に戻っています。つまり、私の見立てでは、貿易の逆風は変化率で見ればすでにピークを過ぎており、再びピーク水準まで戻る可能性は低いと思われます。これは4月上旬のパニック売りでS&P 500銘柄が平均30%値下がりしたこととも合致します。つまり、遅行指標であるハードデータはおそらく来月にかけて悪化しますが、株式市場は4月にすでにこれを織り込んでいました。景気が後退するとしても、4月につけた底値を割り込むことはなく、信用市場と資金調達市場のリスクが管理可能な緩やかな景気後退になると弊社は考えています。
さらに株価の支えとして、企業利益のリビジョン・インデックスが底入れしたと見られます。この指標は業績予想の方向性を測る先行指標的な性質があり、企業マインドを計測する指標として重要だと弊社は考えています。リビジョン・インデックスが上向き、さらに先週の中国との関税交渉も重なった結果、S&P 500は「解放の日」以前の弊社の上期予想レンジである5500-6100にしっかりと戻っています。ただ、10年債利回りが依然として高い水準にあることから、S&P 500が目先6100を上回るためにはリビジョン・インデックスがさらに上昇してプラス圏となる必要があると考えます。
このような状況の中、弊社は今週Mid-Year Outlook(ミッドイヤーアウトルック)を発表し、その中で弊社基本ケース、弱気ケース、強気ケースそれぞれのS&P 500予想を見直しました。一言で言えば、当初は年末に6500と予想していたところを今から12カ月後に実質的に後ろ倒ししました。その主な理由は、FRBの姿勢が予想したほどハト派的でなく、そのため10年国債利回りが弊社エコノミストと金利ストラテジストの昨年末時点の予想よりも高いためです。また、関税率が少なくとも当面は予想よりも高いことから、EPS予想を小幅に引き下げました。
この先の見通しについて、弊社は現在、昨年末時点よりも強気になっています。成長を阻害する政策の発表はすでに終わり、FRBの次の動きは複数回の利下げと見られるためです。端的に言えば、リビジョン・インデックスの変化率、金利、現政権の政策変更のすべてが今はプラス方向に向いています。半年前はこの真逆だったために、今年上期に対して強気ではありませんでした。
米国株式の目先のリスクは、非常に買われ過ぎの状況と金利です。インフレ懸念が続いているためFRBは様子見を続けており、先週金曜日にはMoody’sが米国債を格下げしたこともあり、10年物利回りは4.5%を超える水準に戻っています。4.5%は株式と金利が負の相関に戻りがちな水準です。最終的には、財務省とFRBはこのリスクをコントロールする手段を持っており、実際にそれを使うでしょう。しかし、短期的にはS&P 500の上昇が一服し、さらには5%調整するきっかけとなり得ます。弊社の6-12カ月予想は強気であるため、この調整が現実化した場合は株式リスクの追加を目指すでしょう。
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